自分語り

 私はいま実家暮らしをしていますが両親と会話するのは多くて三ヶ月に一回、とくに父親とは2年近く話していません。これはアダルトチルドレン的な関係、家庭環境が再演されることを防ぐためです。

 

 中学のころまでは両親と三人で暮らしていました。あるとき私のパソコンの使用時間をめぐって私と母で意見の対立が起きました。それが何度も繰り返されました。そうするとある日父親が突然癇癪を起こしてこの家は絶望だなどと言いながら物を投げたり母や私を殴ります。耐えきれなくなった母は私を連れて実家へ避難します。名目上は祖母の介護でしたが、ある日突然実家で毎日暮らすことになりそれ以降一度も家に戻らない理由としては不十分であり、家庭内暴力から逃れるという理由も含まれていたものと思います。

 

 このことは私が生まれて言葉をまともに喋れるようになったころから繰り返されてきました。何度も殴られていて、幸い肉体的な後遺症はありませんが深刻な恐怖を何度も感じました。暴力は父親からが主でしたが母親からも車で連れ回される、養護施設に預けると脅されるなど、数えたらきりがありません。パソコンの使用時間という問題も、裏を返せばそれ以外問題がない(学校の勉強は計画的に行う、不良行為もない、など)から槍玉にあげられたということであり、それは第三者からそう言われたことですが、私には根本的な善悪というものをこの家庭で疑うようになり、もはや誰の意見も信じられません。

 

 以上の事象の根本原因は、精神分析的に考えるなら、私の母も似たような心境を抱えており(母方の祖父、祖母は高齢になっても頻繁に夫婦喧嘩をしていました)、何も信じられなくなった結果私の父に思想的な支えを求めているため、暴力からくる苦痛を神から与えられた試練のようなものと誤解していることからくるのかもしれません(私の見えないところで父は母にかなり暴力を加えていたらしいです。おそらくここに書いたことより更にひどい理由で理不尽な暴力です)。であるから、そのストレッサーに対する正当な抵抗手段、つまり私の父に訴えを起こすこと、あるいは行政機関、司法機関の介入を行わず、子を過度に所有することで紛らわしていたのではないかと思います(私は母親に持ち物をすべて見られたり予定を管理されるなどの過干渉を受けていました)。また私の父は「子殺しの心理」と題された本を所有しており、私を自らの思想を立証するための道具として捉えているのかもしれません。しかしこれは素人の分析であり、結局のところはよくわかりません。ただ、今までの家族関係で、かりにこのような問題があったとすると、私は重大な機能不全家庭で育ち、かつ、その解決が全くなされないまま延々と暴力を受け続けたことになります。これは複雑性PTSDといわれる状況に類似しており、回復は単純でないばかりか、回復とは何かということすらわからない状況です。

 

 私の反省として、私も父の暴力に対抗するために両親を大声で怒鳴りつけたり物を壊したりして脅してしまいました。ですからそこに共依存的な関係が生起していたことが推察できます。それが上記のアダルトチルドレンということです。この関係が固定され、かつ、上記の根本原因が解決している気配が全くない現状、私が両親と接触することは何も生まないばかりか人生の破滅に繋がりかねません。ですから、職が見つかればすぐに家から離れ二度と関係を持たないつもりです。

 

 それでも、なぜ両親と全く思想レベルで話が通じないのか、それにより殴られてしまうのか、ということからくる無力感は全く関係のない社会的場面で「再演」され「投影」されます。必要のないパニック症状や自己主張に対する過度の過敏さ、自閉的症状もここから生じていることが多いものと考えています。